レジンでの部品製作  Parts manufactured by resin

改造プラレール用パーツをレジンで製作する

 ここでは、シリコン型が完成している(※シリコン型の製作ページを参照)という前提で、模型などを製作するための注型用ウレタン樹脂のレジンを流し込み、パーツを製作する手順をご紹介します。
 なお、レジンでの製作は危険を伴う部分がありますので、安全上の配慮をするのは当然のこととして、事前に危険箇所をチェックし、製造・販売メーカーの注意をよく読み、使用方法を守ってご使用ください。(安易に製作することはおすすめできない作業です。)
※用途に適合した手袋・マスクなどの着用、換気、火気厳禁などが重要です。

1.レジンの硬化の仕組みと計量

 レジンはA液とB液の二つの液体を混ぜ合わせることにより硬化し部品ができます。例として使用したメーカーのものは、A液が透明で、B液は黄色です。これらの液体は、重量比100:100 A液・B液ともに秤で同じグラム数にします。写真ではわかりやすくするため、かなり多めの50gずつにしています。(条件にもよりますが、あまりに少ない量だとうまく硬化しなったり、硬化が遅くなる可能性が出てきます。)
 秤は1g単位(以下)で計れることができれば、デジタル式でもアナログ式でも問題ないと思います。また、0g調整ができれば便利だと思います。(料理用との兼用はおすすめできません。)

レジン計量のための秤 透明なA液を注ぐ A液を例として50gにする
レジン計量のための秤 透明なA液を注ぐ A液を例として50gにする
色の付いたB液を別の容器に注ぐ A液と同じ重量比100:100の50gとする A液とB液の容器を並べた様子
色の付いたB液を別の容器に注ぐ A液と同じ重量比100:100の50gとする A液とB液の容器を並べた様子

2.レジンの混ぜ合わせと流し込み

 A液またはB液のどちらかの容器を元にして、もう一方の液を静かに注いで、十数秒間、外部にはねないように注意しながら、しっかりと攪拌します。その後、速やかにシリコン型に必要量(型から溢れない量)のレジンを流し込みます。
 レジンは少しだけ粘り気があるので、平均化するようにします。また、空気が残らないように注意して注ぎ、細かい部分など万が一空気が残ってしまった場合は、注入後すぐに爪楊枝などで空気を抜きます。シリコンと違い自然には抜けません。
 これら、一連の作業を1〜2分程度(気温が高いと早く、低ければ少しゆとりができます。)の間に行わなくてはならないので慣れが必要かもしれません。なお、硬化が進行してから爪楊枝などで触ると、形が崩れるなど失敗してしまいます。
※レジンは、混ぜ合わせた後、硬化が完了するまでの間、大変高温になります。量が多いほど温度は高くなるため、容器の溶解や、やけどの危険もあるので十分な注意が必要です。(写真は、紙コップなので溶解しませんが、大変熱くなります。また、手などに付いたときも同様です。しかも、取れづらい場合もあります。)

例としてA液の容器を元にする A液の容器にB液を静かに注ぐ A液とB液が混ざった様子
例としてA液の容器を元にする A液の容器にB液を静かに注ぐ A液とB液が混ざった様子
短い時間(十数秒位)で静かに攪拌 攪拌後すぐに型へ流し込む レジンの平均化と空気抜き
短い時間(十数秒位)で静かに攪拌 攪拌後すぐに型へ流し込む レジンの平均化と空気抜き

3.硬化の様子と完成まで

 レジンの流し込みが終わると、比較的すぐに中心部分から白くなり、目に見える形での硬化が始まります。硬化の始まりは早いですが、完全に硬化して取り出せるようになるには15〜20分以上かかります。気温(室温)で硬化の速度はかなり変わります。なお、完全に硬化するまでは、型に触ることはできません。簡単に形が崩れてしまいます。
 硬化が完了したら、ゆっくりと型から外していきます。注意しないとシリコン型が壊れてしまいます。また、注意してもシリコン型が壊れてしまうようであれば、シリコンの選定や原型に問題の可能性があります。
 外したばかりの複製品は、裏側の縁部分にバリと呼ばれる余分な部分があります。形として見栄がよくないだけではなく、けがの元にもなりますので、ヤスリがけなどの処理が必要です。平らな棒ヤスリだけでも十分だと思いますが、240〜320番の紙やすりで削るとよりよく処理ができると思います。そして、プラレールの部品として完成となります。
※硬化後も溶剤がパーツの中に若干残っています。比較的温度の高い場所で、数日間乾かしてからパーツとして利用できようにます。完全に乾かさないで使用すると、中から液が出てきて塗料などが剥がれたりします。(裏技として、あまり熱くならない程度にドライヤーなどで温めて確認する方法もあります。)

中心部から硬化し白色になる様子 15分以上経過・硬化後に型から外す 出来上がった複製パーツ
中心部から硬化し白色になる様子 15分以上経過・硬化後に型から外す 出来上がった複製パーツ
バリと呼ばれる余分な部分 余分な部分をヤスリで削る >パーツの完成
バリと呼ばれる余分な部分 余分な部分をヤスリで削る パーツの完成

レジンでの製作メモ

※ここで使用したレジンは、ノンキシレンタイプ(環境ホルモンで、有害といわれるキシレンを使用しないもの)です。

※このシリーズの場合、ノンキシレンタイプは、キシレンを含むものに比べ若干柔らかく、硬化後に溶剤が完全に抜けるまでに時間がかかるようです。(キシレンを含むタイプはあまり使用していないので、この限りでないこともあります。参考ということでお願いします。)

※レジンも、製品の目的やメーカーにより特性がありますので、用途に合わせてお選びください。

ご注意

※レジンを使用の際は、製造・販売メーカーの注意書きをよく読んで正しくご使用ください。なお、製作の対象により、使用するレジンや製作の手順等が異なる場合がありますのでご注意ください。

※レジンは、製作中に高温になることや特有の刺激臭があり、また、手などの人体や衣服などに付着すると取れない(剥がれにくい)などの危険がありますので、十分な安全・保護対策が必要です。

※自らの製作メモと情報を求めている方への製作例の提供を兼ねて公開したもので、改造等の製作を推奨する趣旨でないことをご承知おきください。また、参考にして製作される場合は、自己責任でお願いいたします。


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